バナナは短時間で栄養がとれ、簡単にエネルギー補給できる食べ物なので、マラソンや駅伝の前など、バナナを食べている人も多いと思います。しかし、間違った時間に摂取するとこれは逆効果。正しいエネルギー補給の仕方とはいったいどのようなものなのでしょうか?
ちなみにバナナ1本のカロリーは?
バナナ1本100gで約90キロカロリー
糖質は22.6gほどです。
ブドウ糖、果糖、ショ糖、でんぷんなど多様に含まれているため、体内に吸収される速度がそれぞれ異なり、徐々にエネルギーに変わります。
このため、レース直前やレース中でのバナナの摂取はあまり効率の良いエネルギー補給にならず、ただ満腹感が得られるだけになってしまいます。
ではどのようなものが試合前、当日には良いとされているのでしょうか?
マラソン前の食事方法
- 当日、大会の3日前くらいから脂質は控えめにする
- エネルギー源となる糖質(炭水化物)を多めに摂る
炭水化物は体に貯えられる量に限度があります。
体重70kgの大人:肝臓-70g、筋肉-400g程度と言われています。
フルマラソンでは体重60㎏で約2500キロカロリーも消費するので、十分に体に蓄えていても途中で、それを使い果たしてしまうのです。これが、マラソン終盤での急な失速の原因になります。
つまり、十分に炭水化物を肝臓や筋肉中に蓄えられていないと、早い段階でエネルギーの枯渇へとつながってしまうのです。
そこで、マラソン選手などがよくやっているのが、大会までの食事方法の改善です。
これはカーボローディングとも呼ばれ、大会の3日前から炭水化物中心の食事を摂取するといったものです。
カーボローディング (グリコーゲンローディング)とは
走るためのエネルギー源となるグリコーゲンを筋肉中に最大限に蓄積するための特別な食事法
具体的な方法
- レース3日前からごはんやパン、めん類ばかりの食事にする。
- 肉や魚などタンパク質や脂質の多いものはあまり取らない。
といった簡単な方法です。
<メニュー>
パスタがいろいろとアレンジしやすく、栄養や炭水化物をたくさんとれるので、スポーツ選手も大会前はパスタ料理を食べている人も多いと言われています。
大会前から当日の食事方法について簡単にまとめてみました
〇大会前
先ほども説明したように、カーボンローディングを行い、炭水化物中心の食事をとります。
炭水化物の多い食べ物
- ご飯
- パン
- いも
- 麺類
- 砂糖
同時に取るとエネルギー代謝が良くなるもの
- ビタミンB群
- ビタミンC群
これらのビタミンもしっかりとり、エネルギー代謝を良くしておくと炭水化物をエネルギーに変換しやすくなるので、とても大切です。
食品例
- 果物
- 色の濃い野菜
- ごまなど
〇大会当日の朝食
すぐにエネルギーになる炭水化物の多い食事を心がける。
お餅や、うどん、ごはんなどを多めに食べましょう。
ポイント
①レースの2~3時間前には食事を終えておく
炭水化物が消化吸収されてエネルギーに変わるのは2~3時間なので、それまでに食事を終えておきましょう。
②クエン酸を摂取する
クエン酸は、ぶどう糖、グリコーゲン、果糖などがエネルギー代謝系で分解される過程を、一時的に抑える作用があります。
柑橘系のフルーツにクエン酸が含まれているので、オレンジやグレープフルーツジュースなどを一緒に取りましょう。
〇レース前
水、またはスポーツドリンクなど、速やかに吸収されるものを選びましょう。
水分の量の目安は250~500mlです。
飲む量を自分で調節し、数回に分けて飲むようにすることが大切です。
最後に
以上のことを参考に、レール前のエネルギーや栄養の取り方をすると、きっと良い結果につながるはずです。また、炭水化物を摂取してからエネルギーとして利用されるまでに時間がかかるので、試合前の栄養補給はブドウ糖などのサプリメントや、ゼリータイプのものなど、吸収率のよいエネルギー源を携帯して活用すると効率的です。
参考になればと思います。