虫歯になるとすごく痛いですよね。
歯磨きはしているんだけどいつの間にかなってしまう虫歯…。
今回は、そんな虫歯にかんする豆知識を紹介します。
知っておくだけでも今後の予防に効果がでるかもしれません。
なんで歯磨きをしているのに虫歯になるんだろう?
と疑問を持ったことのある人も多いと思います。
しかし、世の中には生まれてから一度も虫歯にかかったことがないという人もいます。
とても不思議です。
虫歯の本当の原因
一般的に虫歯の原因は食事によって歯に残った食べかすがもととなり、その糖分を利用して細菌がつくる酸によって歯の表面のエナメル質が溶けてしまい、虫歯が起こると考えられています。
しかし、このことが虫歯につながるということをはっきりと証明した論文はこれまでになく、虫歯の直接の原因は口内細菌ではないということです。
確かに口内細菌のつくりだす酸によって歯は溶けていきますが、それは過程であって、原因はほかのところにあると考えられます。
原因とは?
ではその原因とはいったい何なのでしょうか?
それは食事による唾液の緩衝作用の乱れです。
緩衝作用・・・pHを一定に保とうとする働き
どうゆうことかというと、
食べ物を食べると口内細菌による糖の分解で酸が生じ、口の中は酸性になります。
そして、この酸によって歯は溶ける(脱灰)のですが、すぐに唾液が分泌され、その唾液の成分によって溶けた部分が再生される(再石灰化)ように働きます。
つまり、唾液の作用によって、自然に虫歯ができないように調節がおこなわれているのです。
ステファン曲線
出展:http://webdental.doorblog.jp/
これは、飲食後の歯垢(プラーク)中のpHの変化を表したものです。
基本的に口の中は中性ですが、飲食後急激に酸性に変化しているのがわかります。
そして、20分後くらいからまた中性に戻っていき、歯の再石灰化が起こります。
このようなことから、虫歯の原因は
口内細菌による歯の脱灰と唾液による再石灰化のバランスが崩れてしまうことによって起こる
と考えられます。
出展:http://kubo-clinic.main.jp/
この図を見ても、間食が多い場合、再石灰化よりも脱灰の時間の方が多くなっているのがわかります。
実際に、虫歯の発生は砂糖の摂取量よりも摂取頻度に左右されるということがこれまでに証明されています。(論文:Vipeholm dental caries study)
このようなことから、虫歯予防には
食事を改善して
- 脱灰と再石灰化のバランスを整える
- 唾液による緩衝作用を高める
といったことが必要になります。
虫歯の予防法
①脱灰と再石灰化のバランスを整える
具体的方法
- 間食をなるべく少なくする
- 食後にキシリトールガムなどを噛み、唾液を分泌する
先ほどの図でもありましたが、間食が増えてくると、口の中が酸性のままなので、歯が溶けている時間ほうが長くなってしまします。
もし間食を取るのであれば時間を決めて、食べた後はキシリトールガムを噛むなどし、しっかり唾液を分泌させて、ある程度時間をおいて次の食事をすることが虫歯の予防につながります。
②唾液の緩衝作用を高める
具体的方法
- アルカリ性食品の摂取量を増やす
アルカリ性食品とは野菜、果物、きのこ類など、アルカリ性を示すミネラルを含む食品のことを言います。基本的に体は弱アルカリ性に保たれており、食事による体質の変化はほとんどないと言われています。
しかし、アルカリ性食品には体の機能を調節するビタミンやミネラルなどの栄養素が多く含まれているため、これらをしっかりとることで、身体の調子を整え、唾液の分泌機能がきちんと働くようにしてくれます。
特に、今、ファーストフードなどの食事が増え、野菜などのアルカリ性食品を摂取する量が減少しています。偏った食事をするのではなく、バランスよく食事をとることもとても大切です。
また、よく噛んで食べることも唾液の分泌を増やしてくれるので、食事のときはしっかり噛んで食べるようにしましょう。
虫歯予防に関する豆知識
歯に良い栄養素
- ビタミンD・・・骨(歯)を強くするために必要
- ビタミンA・・・骨(歯)の成長、修復に関与する
- ビタミンC・・・歯ぐきを健康に保つ役割をする
これらは、アルカリ性食品である野菜や果物に多く含まれています。
歯の健康を保つためにもこれらの栄養素はとても重要です。
キシリトール
キシリトールは糖の一種で天然の甘味料です。
口内細菌は糖と同じようにキシリトールを取り込みますが、酸を生成できません。
そして、エネルギーを消費して、活性、繁殖が弱まるといった特徴があります。
また、キシリトールガムを食べると唾液が多く分泌されるので、歯の再石灰化を助けてくれると言われています。
フッ素
虫歯予防にも有効と言われ、歯磨き粉などにも使われているフッ素。
実は、WHOでは1999年に「6歳以下の子供へのフッ素洗口は強く禁止する」という見解を出しています。
それほど安全性については議論されているのです。いろいろ調べてみてもその安全性には、はっきりとした確証があるとは考えにくいです。
フッ化物につてはこちらから
また、フッ素は歯の再石灰化を促すわけではなく、エナメル質の硬化に関与するので、虫歯予防には直接関与しません。
重曹
重曹はベーキングパウダーとも呼ばれ、パンのふくらし粉や炭酸水などに使われています。
そして、重曹はアルカリ性を示すので、重曹水で口をゆすぐと酸性になった口内を中和してくれます。
使用しすぎたり、高濃度のものは体に良くないですが、少量で薄い重曹水は虫歯予防に良いと言われています。口臭や虫歯が気になる人は、定期的に取り入れてみるのも良いかもしれません。
最後に
現在虫歯予防については様々な方法が挙げられています。
しかし、人間が本来もっている、虫歯を予防する働きは、唾液の力によって行われています。
この機能をしっかりと働せるためにも、普段からの食生活を心がける必要があります。
また、唾液の分泌量は昼間に比べると、夜はかなり少なく、口内細菌が増殖する環境をつくってしまうので、寝る前と朝起きてからの2回は必ず歯を磨くことをおススメします。
歯の健康もちょっとした心がけで良くなるはずです。
虫歯予防で健康な体を維持しましょう。
参考になればと思います。