今年も桜が咲く季節がやってきました。満開の桜はとてもきれいで、見ていて心が癒されます。会社の同僚や友達、恋人とお花見にいかれる方も多いかと思います。
そんな桜は春に咲くというイメージですが、実は秋や冬に咲く桜があるというのはご存知ですか?そんな不思議な桜についていろいろと調べてみました。
桜とは?
桜とは
- バラ科サクラ属サクラ亜属サクラ節に分類される落葉広葉樹のこと
落葉広葉樹・・・落葉をし、葉が広く平たく、主に温帯の地域に生息している樹木
日本は北半球でこの温帯の地域に位置しているため、他の国に比べ多くの桜が分布しています。また、桜の原産地はヒマラヤ付近と考えられており、その種類は400以上もあると言われています。
サクランボは桜の木からできる?
食べられるサクランボは実ザクラという桜の木の一種で、一般に花見などで見られる桜は、鑑賞用に品種改良されたクローンなので花しか咲きません。しかし、人工的に授粉させると桜の木もサクランボのような大きな実はできないですが、実がみのるそうです。
桜の種類
桜は
- 自生種(山桜など)
- 一重の里桜(ソメイヨシノなど)
- 里桜(八重~半八重桜)
といったものに大きく分けられます。
日本では染井吉野(ソメイヨシノ)が全国の桜の約8割を占めていて、川沿いや名所などでよく見られます。
桜の名前の由来
名前の由来には多くの説がありますが、有力なものとして、
- 古事記に登場する「木花開耶姫」(このはなさくやひめ)のさくやが転化したという説
- 穀霊(穀物の霊)を表す古語の「さ」、神霊が鎮座する場所を意味する「くら」があわさってできた説
の2つがあります。
昔は、桜の開花が農作業の目安の一つになっていたようです。
桜の歴史
〇平安時代より前
平安時代より前は野生の桜を鑑賞していたと考えられています。しかし、その当時は梅の花の方が人気で、万葉集などでも梅の花についてのものの方が多く読まれています。
〇平安時代
このころから、野生の桜を移植して鑑賞するという風習が始まります。
最初の花見の風習が嵯峨天皇から始まり、後に、貴族→武士→大衆という形で広まったと言われています。
〇桃山時代
豊臣秀吉が吉野(奈良)と京都で盛大な花見を催し、花見が一般的になりました。
〇江戸時代
3代将軍徳川家光が上野に寛永寺を建てて吉野の桜を移植。隅田川河畔にも桜を植え、庶民に広がっていきました。
〇江戸時代末期
あっという間に全国にソメイヨシノが広まり、日本中に花見の風習が広く普及していきました。
染井吉野(ソメイヨシノ)が普及した理由
- 先に花が咲き、後から葉が開く
- 花が少し大き目で、花付きもよく、見た目が豪華
- 成長が早く、10年で立派な木になり、他の桜に比較すると若いうちから花を付ける
といったことから、川沿いや道路沿い、学校や公園などに植えられ、普及していったと考えられています。
桜の花びらの色はピンクだけじゃない
白やピンクの花びらが一般的ですが、実は薄黄緑色の鬱金桜(ウコンザクラ)や緑色の混ざった御衣黄桜(ギョイコウザクラ)といった変り種も存在します。これらは八重桜の一種で、この種類の花の色はとてもきれいです。
ウコンザクラ
ギョイコウザクラ
出展:http://www.geocities.jp/
季節によって咲く桜が存在する
一般に桜は、春に咲きますが、品種によっては秋や冬に咲く品種があります。
- 秋に咲く
十月桜 (9月〜12月)
- 冬に咲く
冬桜 (2〜3月)
また、開花時期もことなり、早春に咲くものや晩春に咲くものもあります。日本は縦長で、1月下旬に南の沖縄から開花が始まり、北の北海道まで、約5ヶ月にわたって桜前線が縦断します。
桜前線・・・染井吉野(ソメイヨシノ)の開花日を線で結んだもの
他にも標高差によっても開花時期がことなり、標高が100m上がるごとに2〜3日開花が遅くなります。桜の開花時期も地域によってさまざまに異なり、全国各地で桜を鑑賞できるのも桜の魅力です。
世界の桜とは?
美しい花の咲く種類はアジアに多いといわれています。日本以外にも、中国や朝鮮半島にもかなりの種類があり、日本と共通の種類も存在しています。
- ヒマラヤ付近・・・ヒマラヤ桜
- ヨ-ロッパ・・・サクランボ、いわゆる実ザクラの種類があります。
- 北米大陸・・・ウワミズザクラに近いような種類や、常緑の種類などがあります。
桜にはこんなにもたくさんの種類があり、色や咲く時期など、変わった種類のものもあります。お花見の話題つくりに、取り入れてみてはいかがでしょうか?
参考になればと思います。